2025年05月13日
クロノグラフのペア、そしてeBayから注目の時計などご紹介
セレクションを担当するのは、我らがリッチ・フォードンだ。リッチはHODINKEEのVIP顧客アドバイザーとして、ヴィンテージウォッチコレクションのキュレーターを務めてきた。その後、編集部にフルタイムで参加したため、彼の名前が頻繁に登場するようになったのはご存じのとおりだ。見落とされがちなおもしろい時計を見つけるのに、長年のeBayと時計のファンである彼ほど適任者はいないだろう。購入ガイドに加え、Bring A Loupeでは、コレクターがどのように学び、考えるかを考察している。市場に参加していない読者も必読だ!
というわけで、ようやく復活! Bring A Loupeの最後の投稿から実に4年が経過しており、そのあいだ私を含む多くの読者が復活を待ちわびていたことだろう。なじみのない読者のために説明すると、本シリーズではHODINKEEの“どこで何を売っているのか”をテーマに、ウェブ上の(ときにはウェブ外の)ベストウォッチを紹介している。2024年版のBAT(Bring A Loupe)の時計は必ずしも“ヴィンテージ”とは限らない(好みは変わるもので、HODINKEEも例に漏れない)が、ルールは2012年当時と同じだ。
A) ご紹介する時計は、すべて買主責任負担の原則に則り、HODINKEEは紹介する時計の真贋について一切の責任を負わない。提供された情報に基づき最善を尽くしているに過ぎず、これらは時計や販売者のを推奨するものではない。ただ単に、かっこいいものを紹介しようとしているだけである。そしてB)これまでと同様、我々はこれらの売主とは何の利害関係もなく、素晴らしい時計が素晴らしい人々(もちろん、忠実なHODINKEE読者)の手に渡ることを願い、善意で取り上げている。
今回の拡大版で、失われた時間を埋め合わせよう。ただし今後もこの拡大版を続けるとは約束できないけれど。さあ、今週のピックアップはこちら!
パテック フィリップ クロノグラフ Ref.533R、1952年製
それでは、往年のヒット作を見て感覚を取り戻していこう。まずはパテック フィリップの黄金期を支えたクロノグラフだ。Ref.533は1937年から1957年まで合計約350本製造され、ピンクゴールド(またはローズゴールド)が215本と最も多く製造された。およそ1500本製造されたRef.130(1936年~1964年)の姉妹機にあたるが、より希少なモデルとされている。この2本のリファレンスの違いはわずかだが、注目すべきはベゼルである。Ref.130のベゼルはわずかに段差のある凸型であるのに対し、Ref.533は同時代のカラトラバ Ref.96のベゼルと同様、フラットである。
最近ヴィンテージカラトラバの人気が急上昇しているため、Ref.533は日に日に魅力的に見えてくるはずだ。“小さな時計はクール”、“パテック Ref.96は完璧な時計”という風潮は、若い世代にも広がっており、“おじいちゃんがつける時計”なんてイメージは過去のものだ!
この個体は72年前の時計にしては驚くほどクリーンな状態を保っている。スターン・フレール(Stern Frères)社製のダイヤルはツートン仕上げで、ヴィンテージのパテック クロノグラフには必須のディテールである。売主は“力強い”エナメルと“非常に光沢(原文の“shiney”は、“shiny”のスペルミスであり、私のミスではない)のある”ラッカーと説明書きし、ダイヤルがオリジナルであることを強調している。実はRef.533とRef.130のケースは、研磨するとラグが痩せてしまうことがある。この個体のケースは研磨が施されているものの、ラグの形状はしっかりと残っており、好ましく映る。
売主はニューヨーク在住の旧友アンドリュー・シアー(Andrew Shear)氏で、希望価格は10万ドル(日本円で約1480万円)。詳細はこちらから。
パテック フィリップ クロノグラフ Ref.1579、1955年製
ヴィンテージのパテック クロノをもっと見たいって? 1943年から1964年まで500本に満たない数しか製造されなかったRef.1579は、36mm径のウェンガー社製ケースが当時としては“オーバーサイズ”と見なされた。私はRef.1579とタイムオンリーの兄弟機、Ref.1578の“スパイダー”ラグに引かれてきたが、これらはコンディションがきわめて重要だ。ラグに過度な研磨が施されると繊細なファセットや軽いサテン仕上げなど、このラグの美点の多くが失われてしまうからである。幸運なことに、この個体は驚くほどクリーンな状態を保っている。
このリファレンスは2世代にわたり製造され、ダイヤルタイプによって区別できる。私は細長いバトンインデックスが特徴の第1世代が好みだが、第2世代も悪くない。こう書くと、米ドラマ『メディア王 〜華麗なる一族〜(原題:Succession)』シーズン2のなかで、グレッグがヨットの上でロゼを飲みながらこう呟いたのを思い出す。“いいんだ、飲むよ。ただ僕の好みじゃないってだけ”。
売主はサンディエゴにあるトロピカルウォッチ(Tropical Watch)のヤツェク・コズベック(Jacek Kozubek)氏で、12万9850ドル(日本円で約1920万円)ぽっきりで販売している。ご自身の目でお確かめいただきたい。
ブランパン パーペチュアルカレンダー クロノグラフ Ref.5585、1990年代製
パテックから話題を移し、時代を40年早送りして、そのギャップを埋める非常にクラシックなサイズのケースを持つブランパンを紹介しよう。パーペチュアルカレンダーとクロノグラフの複雑機構を備えたRef.5585は、直径34mm×厚さ11mmの小さなケースに多くの機能が詰め込まれている。売主の説明どおり、このモデルは市場で最も薄いパーペチュアルクロノであったことに加えて、パテックの手巻きのRef.3970より薄く、さらにこれは自動巻きなのだ!
私はネオヴィンテージブランパンの大ファンである。もし小振りなケースサイズを我慢できるなら、作り込みと品質にかけては、この価格帯で買える最高のものだと太鼓判を押そう。ダイヤルの微妙に荒らした仕上げやわずかに湾曲したラグなど、ディテールまで抜かりがない。このレベルの細部へのこだわりは、1990年代製というよりも前の2本の時計を思い出させるほどだ。
ウォッチ・ブラザーズ・ロンドン(Watch Brothers London)のベンが売主であり、1万8000ポンド(日本円で約345万円)を要求している。彼の素晴らしい画像をご覧いただき、こちらから連絡して欲しい。
グローネフェルド 1941 ルモントワール HODINKEE限定モデル
A Gronefeld LE for Hodinkee
今後私の習慣とするつもりもないし、HODINKEE Shopで販売された時計を取り上げることは、Bring A Loupeの趣旨ではないことは重々承知しているが、お付き合い願おう。グローネフェルド ルモントワールは、HODINKEE限定モデルのなかでも最高峰に位置付けられる。もし“古きよきHODINKEE”なるものを探しているならば、この時計こそまさにそれだ。この時計を初めてご覧になる方は、ここですべてのディテールと通常モデルからの変更点をチェックして欲しい。この時計はしばらくのあいだHODINKEEの金庫にあり、この時計が身近にあることを楽しんでもいた。結局、Back To Basicsセールにひっそりと加えることになったが、まるで干し草の中の針のようなものだ。もし誰かが発見し、それが何であるかが分かった際の顔は見ものである。
自前の商品で甘い汁を吸おうとしていると非難されるかもしれないと思いながらも今回取り上げたのは、それが驚いたことに我々のセールに売れ残っているからである(US版掲載時)。小売価格より高い? そう。2020年を最後に一般販売された個体と同等の価格? そう。では、そしてHODINKEE限定でない通常仕様のグローネフェルド ルモントワールの価格よりも手頃な価格? 同じく、そう。
売主のHODINKEE Shopは、ニューヨークのソーホー地区にあるこの時計を7万3000ドル(日本円で約1080万円)で販売していた(US版掲載時)。詳細はこちらから。
そして、私がHODINKEE Shopからの掲載でこの記事の理念を“台無し”にしていることをさらに強調するために、レッセンス(Ressence)のラインナップをここで紹介しよう。当サイトは、創業者ベノワ・ミンティエンス(Benoît Mintiens)氏のビジョンを長年サポートしており、このブランドを販売できることを誇りに思っている。Type 1° マルチカラーとType 5 ブラックブラック、この2本のリファレンスはほかでは在庫を見つけるのが難しいため、さりげなく提案させていただきたい。
チューダー サブマリーナー Ref.7928 “トロピカルポインテッドクラウンガード”、1960年代製
ロレックス サブマリーナーに深くマニアックな歴史があるように、チューダー版もまた、史上最高のダイバーズウォッチに複雑な解釈を加えている。このふたつのサブマリーナーの違いで私が好きなのは1960年代製のモデルである。この時代のロレックスのコレクションは深い光沢のあるギルトダイヤルが中心だが、チューダー版はマットギルトという異なる仕上げを施している。実際に目にするとその表情は際立っている。多くの光沢のあるロレックスのダイヤルを見たあと、マットなチューダーのギルトダイヤルを体験すると、本当に引き込まれ、いい意味で正気を失いそうになる。
トロピカルポインテッドクラウンガードのようなディテールを持つサブマリーナーの収集は、5年前のほうが現在よりも人気があった。とはいえ、このような時計が特別なものであることは今も変わらない。どちらのブランドもこの年代のサブマリーナーがこんなルックスを持つなら文句のつけようはあるまい...これはまさにツールウォッチ収集の金字塔である。
マイアミにあるメンタウォッチ(Menta Watches)のアダム(Adam)氏とジョーダン(Jordan)氏は、このマニア向け仕様のチューダーに4万ドル(日本円で約590万円)を要求している。詳細はこちらから。
ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.6239 “ビッグ・デイトナ”、1967年製
Bring A Loupe復活にあたり、ヴィンテージのデイトナを取り上げないのは完全に間違っている。今、世界で最もホットな時計というわけではないが、適切に選別された個体を見つけるのは容易ではないし、あれば掘り出し物だ。このRef.6239がまさにそれにあたる。同時代に製造された7735ブレスレット(71Nエンドリンクも!)から全体的にきれいなコンディションまで、私はこのデイトナの粗探しに苦労している。
Ref.6239でどこをチェックすべきかについて簡単にメモしておこう。もちろん、夜光プロットには細心の注意を払ってほしい。このドットの経年劣化は、修復と同様よくあることだ。適切な夜光プロットの大きさを熟知しておくこと。修復された場合、画像で見るものよりも大きくなる傾向がある。ベゼルは外縁が比較的シャープで、はめ込まれた数字にできるだけ歪みがないことを確認すること。研磨するとエッジが削れ、たとえば“7”の上部がダリ風に溶けて見える。この個体のベゼルにはそのようなことは見受けられない。
売主はロンドンにあるマン アバウト タイム(Mann About Time)のロビン・マン(Robin Mann)氏で、5万2000ポンド(日本円で約995万円)を要求している。詳細はこちらから。
というわけで、ようやく復活! Bring A Loupeの最後の投稿から実に4年が経過しており、そのあいだ私を含む多くの読者が復活を待ちわびていたことだろう。なじみのない読者のために説明すると、本シリーズではHODINKEEの“どこで何を売っているのか”をテーマに、ウェブ上の(ときにはウェブ外の)ベストウォッチを紹介している。2024年版のBAT(Bring A Loupe)の時計は必ずしも“ヴィンテージ”とは限らない(好みは変わるもので、HODINKEEも例に漏れない)が、ルールは2012年当時と同じだ。
A) ご紹介する時計は、すべて買主責任負担の原則に則り、HODINKEEは紹介する時計の真贋について一切の責任を負わない。提供された情報に基づき最善を尽くしているに過ぎず、これらは時計や販売者のを推奨するものではない。ただ単に、かっこいいものを紹介しようとしているだけである。そしてB)これまでと同様、我々はこれらの売主とは何の利害関係もなく、素晴らしい時計が素晴らしい人々(もちろん、忠実なHODINKEE読者)の手に渡ることを願い、善意で取り上げている。
今回の拡大版で、失われた時間を埋め合わせよう。ただし今後もこの拡大版を続けるとは約束できないけれど。さあ、今週のピックアップはこちら!
パテック フィリップ クロノグラフ Ref.533R、1952年製
それでは、往年のヒット作を見て感覚を取り戻していこう。まずはパテック フィリップの黄金期を支えたクロノグラフだ。Ref.533は1937年から1957年まで合計約350本製造され、ピンクゴールド(またはローズゴールド)が215本と最も多く製造された。およそ1500本製造されたRef.130(1936年~1964年)の姉妹機にあたるが、より希少なモデルとされている。この2本のリファレンスの違いはわずかだが、注目すべきはベゼルである。Ref.130のベゼルはわずかに段差のある凸型であるのに対し、Ref.533は同時代のカラトラバ Ref.96のベゼルと同様、フラットである。
最近ヴィンテージカラトラバの人気が急上昇しているため、Ref.533は日に日に魅力的に見えてくるはずだ。“小さな時計はクール”、“パテック Ref.96は完璧な時計”という風潮は、若い世代にも広がっており、“おじいちゃんがつける時計”なんてイメージは過去のものだ!
この個体は72年前の時計にしては驚くほどクリーンな状態を保っている。スターン・フレール(Stern Frères)社製のダイヤルはツートン仕上げで、ヴィンテージのパテック クロノグラフには必須のディテールである。売主は“力強い”エナメルと“非常に光沢(原文の“shiney”は、“shiny”のスペルミスであり、私のミスではない)のある”ラッカーと説明書きし、ダイヤルがオリジナルであることを強調している。実はRef.533とRef.130のケースは、研磨するとラグが痩せてしまうことがある。この個体のケースは研磨が施されているものの、ラグの形状はしっかりと残っており、好ましく映る。
売主はニューヨーク在住の旧友アンドリュー・シアー(Andrew Shear)氏で、希望価格は10万ドル(日本円で約1480万円)。詳細はこちらから。
パテック フィリップ クロノグラフ Ref.1579、1955年製
ヴィンテージのパテック クロノをもっと見たいって? 1943年から1964年まで500本に満たない数しか製造されなかったRef.1579は、36mm径のウェンガー社製ケースが当時としては“オーバーサイズ”と見なされた。私はRef.1579とタイムオンリーの兄弟機、Ref.1578の“スパイダー”ラグに引かれてきたが、これらはコンディションがきわめて重要だ。ラグに過度な研磨が施されると繊細なファセットや軽いサテン仕上げなど、このラグの美点の多くが失われてしまうからである。幸運なことに、この個体は驚くほどクリーンな状態を保っている。
このリファレンスは2世代にわたり製造され、ダイヤルタイプによって区別できる。私は細長いバトンインデックスが特徴の第1世代が好みだが、第2世代も悪くない。こう書くと、米ドラマ『メディア王 〜華麗なる一族〜(原題:Succession)』シーズン2のなかで、グレッグがヨットの上でロゼを飲みながらこう呟いたのを思い出す。“いいんだ、飲むよ。ただ僕の好みじゃないってだけ”。
売主はサンディエゴにあるトロピカルウォッチ(Tropical Watch)のヤツェク・コズベック(Jacek Kozubek)氏で、12万9850ドル(日本円で約1920万円)ぽっきりで販売している。ご自身の目でお確かめいただきたい。
ブランパン パーペチュアルカレンダー クロノグラフ Ref.5585、1990年代製
パテックから話題を移し、時代を40年早送りして、そのギャップを埋める非常にクラシックなサイズのケースを持つブランパンを紹介しよう。パーペチュアルカレンダーとクロノグラフの複雑機構を備えたRef.5585は、直径34mm×厚さ11mmの小さなケースに多くの機能が詰め込まれている。売主の説明どおり、このモデルは市場で最も薄いパーペチュアルクロノであったことに加えて、パテックの手巻きのRef.3970より薄く、さらにこれは自動巻きなのだ!
私はネオヴィンテージブランパンの大ファンである。もし小振りなケースサイズを我慢できるなら、作り込みと品質にかけては、この価格帯で買える最高のものだと太鼓判を押そう。ダイヤルの微妙に荒らした仕上げやわずかに湾曲したラグなど、ディテールまで抜かりがない。このレベルの細部へのこだわりは、1990年代製というよりも前の2本の時計を思い出させるほどだ。
ウォッチ・ブラザーズ・ロンドン(Watch Brothers London)のベンが売主であり、1万8000ポンド(日本円で約345万円)を要求している。彼の素晴らしい画像をご覧いただき、こちらから連絡して欲しい。
グローネフェルド 1941 ルモントワール HODINKEE限定モデル
A Gronefeld LE for Hodinkee
今後私の習慣とするつもりもないし、HODINKEE Shopで販売された時計を取り上げることは、Bring A Loupeの趣旨ではないことは重々承知しているが、お付き合い願おう。グローネフェルド ルモントワールは、HODINKEE限定モデルのなかでも最高峰に位置付けられる。もし“古きよきHODINKEE”なるものを探しているならば、この時計こそまさにそれだ。この時計を初めてご覧になる方は、ここですべてのディテールと通常モデルからの変更点をチェックして欲しい。この時計はしばらくのあいだHODINKEEの金庫にあり、この時計が身近にあることを楽しんでもいた。結局、Back To Basicsセールにひっそりと加えることになったが、まるで干し草の中の針のようなものだ。もし誰かが発見し、それが何であるかが分かった際の顔は見ものである。
自前の商品で甘い汁を吸おうとしていると非難されるかもしれないと思いながらも今回取り上げたのは、それが驚いたことに我々のセールに売れ残っているからである(US版掲載時)。小売価格より高い? そう。2020年を最後に一般販売された個体と同等の価格? そう。では、そしてHODINKEE限定でない通常仕様のグローネフェルド ルモントワールの価格よりも手頃な価格? 同じく、そう。
売主のHODINKEE Shopは、ニューヨークのソーホー地区にあるこの時計を7万3000ドル(日本円で約1080万円)で販売していた(US版掲載時)。詳細はこちらから。
そして、私がHODINKEE Shopからの掲載でこの記事の理念を“台無し”にしていることをさらに強調するために、レッセンス(Ressence)のラインナップをここで紹介しよう。当サイトは、創業者ベノワ・ミンティエンス(Benoît Mintiens)氏のビジョンを長年サポートしており、このブランドを販売できることを誇りに思っている。Type 1° マルチカラーとType 5 ブラックブラック、この2本のリファレンスはほかでは在庫を見つけるのが難しいため、さりげなく提案させていただきたい。
チューダー サブマリーナー Ref.7928 “トロピカルポインテッドクラウンガード”、1960年代製
ロレックス サブマリーナーに深くマニアックな歴史があるように、チューダー版もまた、史上最高のダイバーズウォッチに複雑な解釈を加えている。このふたつのサブマリーナーの違いで私が好きなのは1960年代製のモデルである。この時代のロレックスのコレクションは深い光沢のあるギルトダイヤルが中心だが、チューダー版はマットギルトという異なる仕上げを施している。実際に目にするとその表情は際立っている。多くの光沢のあるロレックスのダイヤルを見たあと、マットなチューダーのギルトダイヤルを体験すると、本当に引き込まれ、いい意味で正気を失いそうになる。
トロピカルポインテッドクラウンガードのようなディテールを持つサブマリーナーの収集は、5年前のほうが現在よりも人気があった。とはいえ、このような時計が特別なものであることは今も変わらない。どちらのブランドもこの年代のサブマリーナーがこんなルックスを持つなら文句のつけようはあるまい...これはまさにツールウォッチ収集の金字塔である。
マイアミにあるメンタウォッチ(Menta Watches)のアダム(Adam)氏とジョーダン(Jordan)氏は、このマニア向け仕様のチューダーに4万ドル(日本円で約590万円)を要求している。詳細はこちらから。
ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.6239 “ビッグ・デイトナ”、1967年製
Bring A Loupe復活にあたり、ヴィンテージのデイトナを取り上げないのは完全に間違っている。今、世界で最もホットな時計というわけではないが、適切に選別された個体を見つけるのは容易ではないし、あれば掘り出し物だ。このRef.6239がまさにそれにあたる。同時代に製造された7735ブレスレット(71Nエンドリンクも!)から全体的にきれいなコンディションまで、私はこのデイトナの粗探しに苦労している。
Ref.6239でどこをチェックすべきかについて簡単にメモしておこう。もちろん、夜光プロットには細心の注意を払ってほしい。このドットの経年劣化は、修復と同様よくあることだ。適切な夜光プロットの大きさを熟知しておくこと。修復された場合、画像で見るものよりも大きくなる傾向がある。ベゼルは外縁が比較的シャープで、はめ込まれた数字にできるだけ歪みがないことを確認すること。研磨するとエッジが削れ、たとえば“7”の上部がダリ風に溶けて見える。この個体のベゼルにはそのようなことは見受けられない。
売主はロンドンにあるマン アバウト タイム(Mann About Time)のロビン・マン(Robin Mann)氏で、5万2000ポンド(日本円で約995万円)を要求している。詳細はこちらから。
Posted by briawtclfb at 12:28│Comments(0)
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